「フィルムの缶を開けたら、酢のようなにおいがした」「リールに巻かれたフィルムが波打っている」。長く保管した8mmフィルムには、こうした変化が見られることがあります。
この記事では、気をつけたい変化と、相談するまでの保管・発送方法をご紹介します。ご自身で原因を判断したり、映写して確かめたりする必要はありません。
1. 状態が気になる場合は、映写する前にご相談ください
次のような変化に気づいたときは、無理に映写機に通したり、引き出したりせず、見える範囲の写真でご相談ください。
- 酢のようなにおいがする
- 波打ちや縮みが見られる、欠けた破片がある
- 色があせ、赤やピンクに偏って見える
- 白い付着物や綿のようなものが見える
- つなぎ目が外れかけている
REDDESKでは、スーパー8とシングル8のフィルム(音声付きを含む)のデータ化に対応しています。ただし、種類や保管状態によっては対応できない場合があります。料金は8mmフィルムのデータ化料金は?でご案内しています。
2. 8mmフィルムに見られる劣化のサイン
① 酢のようなにおい:ビネガーシンドロームの可能性
アセテート系の素材を使ったフィルムでは、土台となる素材が分解して酢酸を出す「ビネガーシンドローム」が起きることがあります。酢のようなにおいは、その手がかりです。熱や湿気は進行を早めます。
進むと、縮みや波打ち、もろさが見られることがあります。8mmフィルムには別の素材を使ったものもあり、すべてのフィルムに同じ仕組みで起きるわけではありません。
発生した酸が、近くにあるアセテート系フィルムの劣化を促すこともあるため、気になるフィルムはほかと分けてご相談ください。においを調べるために、顔を近づけて強くかぐ必要はありません。
② 波打ち・縮み・もろさ
フィルムが平らにならない、巻きが変形している、破片があるといった状態です。素材の劣化や保管環境などが関係し、見た目だけで原因を決めることはできません。
こうした状態では、機械に通す際に傷むおそれがあります。まっすぐに伸ばしたり、折り曲げて強さを確かめたりしないでください。
③ 色あせ
カラーフィルムでは、色を作る成分の変化によって、赤やピンクに偏るなど、元の色合いと違って見えることがあります。変化の仕方はフィルムの種類や保管状態によって異なります。
④ 白い付着物・カビの疑い
湿気の多い環境では、フィルムにカビが生えることがあります。ただし、白い粉や粒のようなものは、カビ以外の劣化による付着物の場合もあります。見た目だけで断定せず、拭いたり削ったりせずにご相談ください。
ビデオテープのカビについては、VHSにカビが生えていたら再生してはいけない?もあります。フィルムとは素材が異なるため、その対処方法をそのまま当てはめないようにしてください。
3. 映写機とフィルム、両方の状態確認が必要です
長く使っていない映写機は、フィルムを送る部分などの状態が分からないことがあります。また、古いフィルムには、傷んだ送り穴や外れやすいつなぎ目がある場合もあります。
映写機の不調とフィルムの傷みは、どちらも映写中の損傷につながる要因です。映写機を手入れしていても、傷んだフィルムを通してよいとは限りません。
状態が分からない場合は、内容確認のために無理に映写せず、写真と分かる範囲の情報でご相談ください。データ化を相談するために映写機を用意する必要はありません。
4. 相談するまでの保管方法
以下は、家庭で一時的に保管する際の一般的な工夫です。REDDESKの受付条件ではありません。
- 直射日光や熱を避け、なるべく涼しく、温度・湿度の変化が少ない場所に置きます。
- 湿気がこもる場所や、水ぬれのおそれがある場所、暑くなる屋根裏・物置などは避けます。極端に乾燥させることもおすすめしません。
- フィルムを何度も引き出したり、巻き直したりしないようにします。
- におい・付着物が気になるフィルムは、ほかのものと分け、どれか分かるよう容器側にメモを付けます。
袋で分ける方法は、相談までの一時的な隔離として考えてください。袋に密封したまま長く保管すれば劣化を防げる、という意味ではありません。
缶がさびている、フィルムが貼りついている、ふたが開かない場合も、無理に取り出さず、その状態をお知らせください。長期保管には状態に合った容器や温湿度管理が必要です。家庭の冷蔵庫にそのまま入れることはおすすめしません。
5. データ化を依頼するときの送り方
① 先に相談し、送り先の案内を確認する
種類や状態が気になるフィルムは、発送前に公式LINEでご相談ください。送り先は、ご相談・ご注文のあとにご案内します。
② リールやケースを無理に動かさずに保護する
ケースに入っている場合は、無理に取り出さず、ケースごと緩衝材で包む方法があります。ケースがない場合や、フィルムがリールからほどけている場合は、巻き直そうとせず、写真で梱包方法をご相談ください。
以下の袋や緩衝材の使い方は、一般的な梱包の工夫です。個別に案内がある場合は、その内容に沿って発送してください。
③ 状態が気になるものは個別に分ける
においや付着物があるものは、輸送中にほかのものと直接触れないよう、ケースごと袋を分ける方法があります。どのフィルムの状態が気になるか、袋やケースにメモを添えると伝わりやすくなります。
これは発送時の一時的な梱包で、長期保存の方法ではありません。
④ 緩衝材を入れた箱に収めて発送する
包んだリールやケースをダンボールなどに入れ、上や横のすき間を新聞紙などで埋めて、動きにくくします。強く押し込まないようにしましょう。
お近くのコンビニ・郵便局・宅配便など、利用する方法を取り扱う窓口から発送できます。お客様から送る送料は、お客様のご負担です。追跡できる方法を選ぶと、配達状況を確認しやすくなります。
箱詰めの一般的な手順は、ビデオテープの送り方も参考になります。ただし、フィルム特有の状態については、この記事と個別の案内をご確認ください。
6. よくあるご相談
酢のようなにおいがあっても、データ化できますか?
においの有無だけでは判断できません。フィルムの種類や保管状態によっては、対応できない場合があります。
お受けしているのは、再生できる状態のフィルムです。傷みが強く再生できないフィルムはデータ化せずにご連絡します。データ化できなかったフィルム分のデータ化料金はいただきません。
カビのようなものは、自分で拭いたほうがよいですか?
ご自身でこすったり、薬品で落としたりせず、まずは見える範囲の写真をお送りください。フィルムの表面を傷めないよう、状態に応じた扱いを確認することが大切です。
どのフィルムが傷んでいるか分かりません。
すべてを開けたり引き出したりせず、分かる範囲でご相談ください。気になるものがあれば、缶やリールの写真と、気づいた変化を公式LINEでお知らせください。写真だけでは状態や対応できるかどうかを判断できない場合もあります。
7. 今できることから、少しずつ
まずは無理に映写せず、気になるフィルムをほかと分け、箱や缶の写真を撮るところから始めてみてください。
データ化できた映像は、元のフィルムを繰り返し映写せずに見られます。ただし、データ化しても元のフィルムの劣化が止まるわけではありません。受け取ったデータも、別の保存先へコピーするなど、バックアップをしておくと安心です。
料金の目安は、8mmフィルムのデータ化料金は?でご案内しています。